朝のやりとり

半年前に仕事を変え、新しい環境に飛び込んだ私は、仕事における自分の得意不得意、いや、好き嫌いが、昔より確信できることに驚いている。

若いころは、なんとなく嫌だな、とぼんやり感じていた部分が、40代でははっきり自分に合っていないのだと思える。若いころは、未来が長く未知数で、自分には可能性や伸びしろもあって、性格というのはあるけれど、努力や、意識や環境でいくらでも変わるような気がしていた。実際そうだったかもしれない。でも今は、これまでの自分の気質が今後大きく変わることはないと思っている。今の自分があるのは、過去の自分がいたから。未来の自分は、この自分の延長線上にある。生きる方向は無限大に選択できるけれど、ここまで生きてきた気質はきっと変わらない。だから無理をせず心地よくいられる環境を探し、できるだけ心を軽やかにして生きていきたい。嫌な分野は、やらないでいける方法を探したい。やれることでがんばりたいのだ。それでいいじゃないか。

 

いい歳した大人として大変恥ずかしいことを言うと、私は働くことが好きではない。できれば働かずに家事育児を精一杯やりたい。頭と体を使った労働作業が嫌なのではなくて、会社とか、職場とか、組織の中でとか、上司だ後輩だ、あの人がどうだああだ、こんなこともわからない、ミスして迷惑かけてしまった、ちゃんとやらなきゃ、人事評価だ目標だ‥といった気を遣う部分で精神が疲弊してしまうからだ。それを込みで「働くこと」なのだから、生きていくのに必要なお金をいただくのが目的で、甘っちょろいことを言ってはならないよね。 けど、本音は「働きたくなーい!」

 

今、子どもたちは夏休み。中3長男は受験生なので勉強をがんばっている一方、中1次男はリビングのソファを定位置としてゴロゴロと一日を過ごしている。日中私が仕事でいない間はゲーム→アマプラ→YouTube→漫画のループを繰り返していることも、外は暑くてうろつけないから、と少々の自宅学習と宿題をすることを約束し、目をつぶっている。

彼がそんな一日を始めようとする傍ら、私は仕事に出勤する。私がいない方が自由を満喫できる面もあるに違いなく、「ママ、もうすぐ出なきゃね」と出勤時間の前に言われるたびに、私は「ママ、行かない!行きたくない!」と子どものように振舞ってみる。「行けっ!」とにこにこ笑顔で一言返されるというやりとりをする毎日。これが、けっこう幸せだったりする。行くんだよ。行きたくないから行かないなんて、したことないし、働いて稼がないと。本当は、子どもに仕事のネガティブイメージを与えない方がいいんだろう。仕事って大変だけど楽しいよ!なんて伝えられたら最高だろうな。でも、ただ行きたくないと言いたいときもある!そして、行けっ!と返事をして構ってもらえて、あはは、と笑えて、元気に「いってきます」と言えたりするんだ。